テロワールの違いを味わう、ご当地メスカル「アリプス」


ロス・ダンサンテスが1999年に立ち上げたブランド「Alipus(アリプス)」は、アガベの生育環境であるテロアール(土壌)の違いによるメスカルの風味を表現するために、地域に根付いた蒸留所をサポートしながら、その土地の地酒的なメスカルの伝統を守っていくプロジェクトです。そもそもメキシコでは、メスカルとは、家族、民族、その土地において、太古より先祖代々伝統を受け継いできた地酒。原料や製法が同じでも、作り手とテロアールが変わると風味が変わります。


アリプスが生まれた背景

 

メキシコ有数のメスカルの産地であるオアハカ州には、何百もの小さなメスカル蒸留所があります。なかでもメスカルで有名な6つの地域で伝統的な製法を守りつづけている蒸留所、生産者の家族を支援するため、ロス・ダンサンテスは11組のオアハカの蒸留所とコラボレーションしています。

 

 

地域ごとの蒸留所には、メスカルマスターとその家族が携わっており、世代から世代へと受け継がれてきたノウハウに敬意を払い、メスカルという文化的価値を作ることが、アリプスの目的です。また、同時にその土地のメスカル製造のプロセスに関わることで、雇用拡大にも繫がり、さらに地域のメスカルを盛り上げる再活性化のきっかけ作りでもあります。

 

アリプスのこだわりのラベルデザイン

 

アリプスのラベルは、メキシコのアーティスト、ジョエル・レンドン(Joel Rendon)の感性と匠の技によって彫り出された版画のデザインを採用しています。そこに描かれたシンボルは、 シエラ・マードレ・デ・オアハカ山脈をはじめ、炎や空、太陽、月、ターコイズなど、どれもメスカルの起源であるメキシコ先住民の歴史を表現しています。

 

カニワトーキヨがセレクトした3つのアリプス

 

「アリプス サン・フアン」

 アリプスプロジェクトの第1弾は、サン・フアン・デル・リオのジョエル・アントニオ親子との協業による「アリプス サン・フアン」。2000年からホエル・アントニオ・フアン家が生産し、2013年からはホエルのいとこであるロドルフォ・フアン・フアレスの蒸留所を製造施設として増設し、生産しています。

 

 

石窯でアガベを加熱し、昔ながらの方法で輓獣を使い、タホナと呼ばれる石臼でアガベを粉砕。その後、オークの大桶で自然酵母を使って発酵させ、銅製の単式蒸留器で2回蒸留します。アリプスの中では、もっともオーソドックスな味わいで、とても華やかなフルーツブランデーの風味が特徴です。

 


「アリプス サンルイ」

2013年に誕生した、サン・ルイ・デル・リオ地方のドン・バルタザール・クルス親子が作る「アリプス・サンルイス」。サン・ルイ・デル・リオは標高約915メートルのリオ・オルミガ・コロラダの斜面に位置しており、そこからさらに300メートル以上高地の、標高約1250メートルの岩石を多く含む砂質土壌で育ったアガベ・エスパディンを原料としています。

 

 

蒸し焼きにしたアガベを1500リットルもの松の桶で自然発酵させた後、銅製の単式蒸留器で2回蒸留します。スモーキーな風味、リッチなフルボディで、ほんのりフルーティーなテイストが特徴です。

 


「アリプス サンミゲル」

ポトレロ・ソラ・デ・ベガのフェリックス・ガルシア、レオナルド・ロハス、ヘスス・リオスの3人で作る「アリプス・サンミゲル」。ソラ・デ・ベガ地域で古来から使用されている粘土製蒸留器で蒸留しているため、土の風味が感じられる少量生産のメスカルです。

 

 

 

また原料には、アガベ・エスパディンに加え、標高約975メートルの高地で栽培されたアガベ・アロケーニョをブレンドしています。3人の誰が製造したかは、ボトルのネックに貼られたラベルで判別できます。

ロス・ダンサンテスは、アリプスを通じて、地酒としてのメスカルを追求し、「伝統」「コミュニティ」「アイデンティティ」を大切にしていきます。

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